みんな急性アルコール中毒って恐くないのだろうか

 諸事情により普段は飲酒しない夫が*1、会社の送迎会で飲んできた。飲まないと言っていたのに飲んできた。時々こういう事があって、でも思ったよりは酒乱のような行動も無いので「……仕方ないな」で我慢していたのだけれど、今回は様子が違っていた。コンビニにいると言うので迎えに行ったら、ものすごくどんよりした顔でしゃっくりが止まらない。大丈夫なのか訊けば「大丈夫」としか答えない。あれだ、酔っ払いに酔っ払ってるでしょと言っても「酔っ払ってないよ」と答えるのと同じだ。大丈夫じゃないよな、この状態。「もう無理」と私の心のシャッターがガラガラ下りるというよりズドンと落ちた。もうやだ、やだもうこの人。どこまで私を苦しめれば気が済むのだ。数々の仕打ちが走馬灯のように蘇る。

「そりゃ飲みたいでしょ」

「あんまり怒るんじゃないよ」

 実の母にまでこんな事を言われるのだ。私の祖父も酒乱で母も散々面倒な目に遭ってきているというのに、完全に夫の肩を持つ。夫の母も「飲んでく?」と夫に酒を勧めて飲ませる。この世で夫に酒を勧めないのは私だけだろう。そして、酔っ払った夫にいきなり怒鳴りつけられたり、もっと酒を飲ませろと凄まれたりするのも、この世では私だけだ。「あ、私がいなくなれば丸く収まるのかな?」と思った。

 しかしネガティブ走馬灯も、見た事のない状態になっている夫のおかげで、回転したままどこかへ吹っ飛んで行ってしまった。これは泥酔か。今までこんなに泥酔した人間を見た事が無かったのでどうしていいのか分からなくなり、夫の実家へ連れて行く事にした。夫の実家は隣にあるのだ。要は二世帯住宅だ。こういう時はありがたい。常日頃「酒を飲んだら隣に行け」と言っていたものの、まさか本当に連れて行く羽目になるとは思わなかった。

 千鳥足を通り越して歩けるのかすら怪しい状態になった夫は、部屋に入った途端、転がった。見ると手が紫色になっている。寒いと言うので体温も低下しているのだろう。突付いても反応が鈍い。いや別に面白がって突付いてるわけじゃなくてだな、こういうのって急性アルコール中毒って言うんでなかろうかと。なにしてるんだ、なにしてくれやがるんだ。どうしてこんなのに酒を飲ませるんだ。やめてくれ、もうやめてくれ。何が「飲みニケーション」だふざけんな。死んだら責任取ってくれるのか。誰も責任取ってくれないくせに、気軽に酒を勧めるんじゃねえ。一番ダメなのは夫の意志の弱さだとは思うのだが、(体質的に)酒に弱いと知ってても酒を勧める夫の母や親族とは一体何であろうかと考えてしまう。考えたところで答えに行き着く事は無い、時間の無駄だ。

 その後、何度か嘔吐して眠りについた。夫母が様子を見てくれるというので帰ってきたが、これからどうしたものだろうか。今回は精神的暴力には遭わなかったとはいえ、目の前で夫が死ぬかもしれないと本気で思った。夫の母などは「あるあるー」という感じで軽く受け止めているものの、私はもう二度とこんな事は御免だ。こんなことがよくあってたまるか。

 

*1:アルコールに弱いし、私だけに対して酒乱が酷くて一緒にいられないので「もう飲まない」と誓った……けど、外で勧められると飲んでしまう